2009年4月20日月曜日

よき時代の終焉

昔の仕事仲間の一人に気のいいイタリア人がいて、モンテカルロに家とクルーザーを持つ羽振りの良さだったが、ある年脱税でやられた。
ケイマン島やルーマニア、ポーランドなどおよそ不可解な複数口座を所有し、私も何度か振り込むことがあったので、ああ、やっぱりという印象だった。
その彼が1年半後出獄して、コスタリカへ移住できたのは、
当時のイタリア警察の捜査の手が同国までは伸びなかったからに他ならない。

G20で、透明性に問題のあるタックスヘイブンとして初めて挙げられた4地域に、コスタリカが入っていて彼のことを思い出した。
移住直後、何度か連絡があり、遊びに来ないかと誘われた。
電話の向こうから、いつもトロピカルな音楽と笑い声が聞こえていたことを覚えている。
全世界の動植物種の5パーセントが棲息するコスタリカは、四国と九州を合わせたほどの面積の国らしい。彼の静かな生活は羨ましいかぎりだ。
ヨーロッパでのビジネスでは、ルガノ、モナコ、ケイマン、ジャージーは馴染みの深い名前だった。
取引相手の何人かは、フィリピンやウルグアイにセカンドハウスを構えていた。
どこも今回指摘された地域になっている。

しかし、彼らにとって、よき時代は終焉を迎えようとしている。
世界中でこれだけ多額の税金が投入されている以上、
税を逃れる彼らの生き方を世界は許さないだろう。
イタリア人は、さらなる旅に出るのだろうか。

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