NHK大河「天地人」に上杉景勝が秀吉からの上洛の誘いを受けるシーンがある。
民のために上杉としての意地を通すことが、
本当に良いことなのかどうか考えて決断したと、
景勝は直江兼続に言う。
権力の座にあるものとして、優れた判断と言えるだろう。
このとき彼に決断させたのは、秀吉の武力もさることながら、
むしろ、天下統一に向けた構想力の差だったと思われる。
統一へ向けて着々と歩を進める秀吉は大方の大名の同意を取り付け、
国のインフラ整備まで始めつつあった。
大状況は動かないと景勝は判断せざるを得なかったのだ。
日本の敗戦は、権力者の意地で
最悪の状態寸前まで行き着いた果てのことだった。
我が国のアジア統一構想は、どの国にも支持されぬまま瓦解した。
以後、私たちはグローバルビジョン策定に注力しないまま、
経済発展一途に走ってきた。
しかし、世界2位の経済力を維持することはもうできない。
米中G2時代に入りつつある今、大構想については
彼らを中心に練り上げられていくことが確実だ。
だが、非核、新通貨体制、環境などの各分野で
世界の枠組み作りを支えるインフラ整備を日本は担うことができるだろう。
日本には、広島と長崎があり、憲法9条を持ち、
東京という効率的な金融市場が控えている。
自分たちのポジションを見極めて、確固とした立場を築くこと。
「天地人」は私たちにそういうことを教えてくれている。

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